私の母は、私の父と婚姻関係にない状態で、私を生みました。私の父は、私の母ではない女性と結婚し、その間に一人の男の子(父親違いの弟)がいると聞いています。
最近、父が亡くなり、相続人は、父親違いの弟と私の2人だけです。父は財産をそれなりに残して亡くなったようなので、遺産分割の話をしたのですが、弟は、婚姻していない男女の間に生まれた子は、婚姻している男女の間に生まれた子と比べて、相続分が2分の1になるから、その割合で分割をしようと言ってきました。実際にその割合で分割をしなければならないのでしょうか。
民法は、900条4号ただし書前半部分で、嫡出でない子(非嫡出子。法律上の婚姻をしていない男女の間に生まれた子)の相続分は、嫡出である子(嫡出子。法律上の婚姻をしている男女の間に生まれた子)の相続分の2分の1とすると規定していました。
しかし、この規定は以前から不合理な差別であるとして、憲法14条が保障する法の下の平等に違反するという批判がありました。最高裁は、平成25年9月4日の決定で、民法900条4号ただし書を違憲であると判断し、非嫡出子の相続分を2分の1とする民法の規定は、違憲無効となりました。これを受けて、平成25年12月5日に民法が改正され、平成25年9月5日以降に開始した相続について適用されることとされています。
したがって、あなたの場合、あなたと弟とで2分の1ずつ、父の財産を分割して相続することになります。遺産分割の協議が話合いで解決できなければ、家庭裁判所に調停の申立てをすることができます。
※朝日まつど新聞 平成28年7月号掲載
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