取扱業務-その他法律問題その他法律問題に関するご相談事例をご紹介します。

共有不動産の処分でもめている

相談内容

 両親が亡くなった後、実家の家と敷地を兄、姉及び私の3人で相続し、3分の1ずつの共有名義にしました。相続したときは、家と敷地は落ち着いたら売却し、代金を3人で分けようという話だったのですが、いざ売ろうという話になったとき、兄が突然「実家の家は俺が住むことにしたから売らない」と言い出しました。私は、売ってお金で分けてもらいのですが、どうしたらよいでしょうか。

結果・回答

 

 実家の家及び敷地を売却するには共有者全員の同意が必要ですので、お兄さんの同意が得られない以上売却はできません。

 あなたの共有持分だけを買い取ってくれる不動産業者を探すという方法もありますが、共有持分のみでは買い手を探すのはなかなか難しく、買い手が見つかった場合でも全体を売却して代金を分割した場合に比べ、価格が大幅に安くなってしまう可能性があります。

 そうしますと、共有持分を時価またはこれに近い金額でお兄さんに買い取ってもらうよう交渉し、お兄さんが買取を拒否するなど話し合いが成立しない場合には、「共有物分割訴訟」を裁判所に起こすという解決方法があります。

 共有物を分割する方法には、以下の3つがあります。

①現物分割(共有不動産を持分割合に応じて物理的に分ける)

②換価分割(共有不動産を第三者に売却または競売して、代金を持分割合に応じて分ける)

③価格賠償(共有不動産を特定の共有者が取得したうえで、他の共有者に対し代償金を払う)

 裁判では、この中の最も適切な方法によって共有物が分割されることとなります。

 ご相談のケースでは、実家の家を3人で物理的に分割するのは困難と思われますので、②または③が選択されることとなり、あなたは土地建物の持分の代金相当額を金銭で取得できることになります。