現在住んでいるアパートの隣室に夫婦と幼稚園児の男の子の3人家族が引っ越してきました。その後、夜になると隣室から旦那さんと思われる人の怒鳴り声と男の子のわめき声が聞こえることが度々あります。また、休日に男の子を近所の公園で見かけた時、体に複数の痣がありました。虐待を受けているのではないかと疑っていますが、確信が持てません。どうしたらいいでしょうか。
児童虐待の防止等に関する法律は、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合に、発見者に通告する義務を課しています(同法6条)。児童虐待を受けていると確信がなくても、受けていると思われる子どもを発見した場合、通告する必要があります。もっとも、通告しなくても、罰則はありません。
児童虐待には、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト(食事を与えない、衣服や住居が極端に不衛生、学校に登校させない等)、心理的虐待(脅し、配偶者への暴力を見せる等)があります。今回のケースでは、男の子が身体的虐待、心理的虐待を受けている可能性があります。したがって、児童虐待の通告をするべきでしょう。
通告先は、市町村、都道府県の設置する福祉事務所もしくは児童相談所です(同法6条)。通告の方法に特に決まりはありませんので、電話でも手紙でもできます。また、通告した人のプライバシーは保護されます(同法7条)ので、通告したことが他人に知られることはありません。どうしても名前を出して通告するのが嫌な場合、匿名で通告することもできます。
児童虐待は、その子の生涯にわたって深刻な影響を与えるものですので、早期の発見、解決が重要です。虐待かもと思ったら、児童相談所等に連絡しましょう。
※朝日まつど新聞 平成27年4月号掲載
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