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アルバイトの有給休暇

相談内容

2年前から運送会社で1日7時間、週に5日のアルバイトをしています。これまで出勤しなければならない日は休まずに頑張ってきましたが、田舎へ帰らなければならない予定があり、会社に有給休暇を取りたいと言ったところ、アルバイトに有給休暇はない、休みを取ろうとしている時期は繁忙期なので休むなと言われました。アルバイトは有給休暇を取得できないのですか。

結果・回答

年次有給休暇の権利は、雇入れの日から6か月間継続勤務し、所定労働日の8割以上出勤している労働者であれば、アルバイトやパートであっても、法律上有給休暇の取得が認められます(労働基準法39条1項)。アルバイトという理由で有給休暇を認めなければ法律違反となります。

要件を満たした労働者には、6か月間継続勤務した日の翌日に10日の有給休暇が付与され、1年6か月以上継続勤務した場合は、1日加算されますので、11日の有給休暇が付与されます。

あなたの場合、今の会社に2年間、休まずに出勤されていたということなので、上記の有給休暇取得の条件を満たしています。1年に11日の有給休暇を取得することができます。

なお、使用者は、有給休暇の取得を請求された日に休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に与えることができる(同法39条4項ただし書)とされています。しかし、「事業」の支障が要件であり、単に繁忙期や人手不足では事業の正常な運営を妨げる場合に当たらないと解されています。また、有給休暇の取得に使用者の承諾は不要で、労働者は休暇を取る日を特定して使用者に届け出れば足ります。

したがって、あなたの場合、有給休暇の取得の届出を行うことで休暇を取ることができます。

※朝日まつど新聞 平成29年12月号掲載