取扱業務-その他法律問題その他法律問題に関するご相談事例をご紹介します。

マンションの騒音

相談内容

私は、マンションの5階に妻と4歳と3歳の男の子と一緒に住んでいます。兄弟の仲が良く、廊下や部屋中を走り回ったり、飛んだり跳ねたりを繰り返していて、管理組合から、騒音に配慮するよう求められましたが、私としてはマンションが家族向け住宅として作られたもので、子どもが居住することも予定していることから、子ども達を叱るのもためらっていました。そのうち、下の階の方から直接苦情を言われるようになり、慰謝料を求めて裁判をする等と言われています。どうしたらよいでしょうか。

結果・回答

騒音によるトラブルにおいて、損害賠償請求が認められるかどうか、すなわち、違法な権利侵害または法益侵害があるかどうかで判断されます。その判断は、受忍限度を超えているかどうかで判断されます。受忍限度を超えているかどうかについて、多くの裁判例では、侵害行為の態様と侵害の程度、被侵害利益の性質と内容、被害防止措置の有無及びその内容、効果等から、総合的に判断されています。

 裁判例でも、子どもが廊下を走ったり、飛んだり跳ねたりする音が受忍すべき限度を超えているかどうか検討した上、上の階の住人の対策の程度や話合いにおける態度が不誠実であることなどを理由に、慰謝料の請求を認めた事例もあります(東京地裁平成19年10月3日判決)。

 あなたの場合、騒音の程度がどの程度なのかやマンションの騒音対策の構造がどの程度なのかわかりませんが、下の階に住む方から直接苦情を言われる程度に騒音があるのであれば、走り回る音等が軽減されるよう対策をすることや、夜間に走り回らないよう子どもたちをしつける等の対策を取らないと慰謝料の請求が認められる可能性があります。

 まずは、相手の方ときちんと話合いをしましょう。

※朝日まつど新聞 平成28年1月号掲載