取扱業務-離婚問題離婚問題に関する弁護士相談事例をご紹介します。

面会交流と養育費

相談内容

 私には離婚した元妻とその間にいる子どもがおり、親権は元妻が持っていて、養育費の支払いをしています。また、月に1回の面会交流をする合意ができており、今まで問題なく実行されてきました。しかし、2か月前から子どもに会わせてもらえないようになりました。私は、月に1度でも子どもに会うことを楽しみにしているので、この状態に我慢ができません。子どもに会えるまでは養育費の支払いを止めてしまって、何とか会えるようにしたいのですが、どうしたらよいでしょうか。

結果・回答

 まず、養育費の支払いと面会交流は、対価関係にあるわけではありません。養育費の支払いを受けることは子ども自身の権利です。また、面会交流の性質については、様々な考え方があるのですが、子どもの利益や福祉を優先することについて異論はありません。したがって、面会交流をしてもらえないことを理由に養育費の支払いを拒むことはできません。支払わなければ、養育費請求の調停が起こされたり、調停で合意済みであれば給料差押え等の強制執行を受ける可能性もあります。面会交流を実施するために養育費の支払いをしないという手段は取らないでください。

 子どもと面会交流をしたいのであれば、面会交流の調停をするべきでしょう。面会交流が調停で既に合意済みであれば、家庭裁判所に履行勧告をしてもらいましょう。それでも面会交流が実施されないのであれば、強制執行をすることもできます。しかし、子どもを無理矢理連れてくることはできませんので、間接強制(履行されなければ金銭支払いを命じるもの)によるしかありません。

 いずれにしろ面会交流も養育費も子どものためのものです。面会交流が実施されない理由等について元妻ときちんと話す必要があると思います。

※朝日まつど新聞 平成27年11月号掲載